20101017
[Movie]やさしい嘘と贈り物
やさしい嘘と贈り物 (2008 アメリカ)
この作品、2008年の映画ながら、製作国のアメリカでは長らく配給の買い手が付かず、9月10日にようやく17館というごく少ない館数で一般公開されたばかり。もちろん他の国でもまだ公開されておらず、日本がダントツの世界最速公開という珍しい作品である。
大方の国で公開されてから1年以上経ってようやく重い腰を上げる、というのがお決まりの日本の配給会社としては異例のアグレッシブさだが、そのアグレッシブさが変な方向にも出てしまっているようで、キャッチコピーの『私を忘れてしまった夫 もう一度あなたに恋をする』が、完全なるネタバレになっている。
まあ『きみに読む物語』と一緒のオチだし、伏線もあからさまなので、普通の人ならせいぜい30分で「もしかしてこういうオチかな?」というのは想像できてしまうのだが、「もしかしてこうかな?」と思いながら見るのと、完全に知ってしまっているのとでは、とてつもなく大きな違いがある。
世界最速で買い付けたかと思えば壮絶なネタバレで台無しにしたり、いったい日本の配給会社は何がしたかったのか理解に苦しむところ。
老人のラブストーリーという画面栄えしない題材なのもあって、興行的に見てしまうと買い手が付かなかったのも分からなくはないなーという感じなのだが、ただ色彩豊かな映像は見惚れてしまうほど素晴らしく、監督のセンスの良さが感じられる。若干24歳の初監督作品ということを考えると、相当すごいんじゃないだろうか。
ちなみにこの監督のキャリアをIMDbで調べていたら、『カリフォルニア・ドリーミング』という、アメリカでもDVDスルーになるようなマイナー映画に、一度だけ俳優としての出演歴がある。
そしてこの作品、一年ほど前になぜかWOWOWで放送されていて、ぼんやりと見ながら「WOWOWの映画バイヤーは、なんでわざわざこんな作品を買い付けてきたんだろう?」って思った記憶がある。
この監督、日本のバイヤーに好かれる星のもとに生まれているのかな。
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