カサンドラズ・ドリーム 夢と犯罪 (2007 アメリカ)
ウディ・アレンのロンドン3部作最終章。2007年の作品なのに、今年になってようやく日本公開。主演はユアン・マクレガー&コリン・ファレルと、キャスティングもなかなか惹きがあると思うのに、なぜ今までどこの配給会社も手を挙げなかったんだろう。
投資家としての成功を夢見る兄と、自動車修理工でギャンブル狂の弟が、金のために叔父の依頼で殺人を実行する。最初は完璧にやり遂げたと思った2人だが、小さな歯車の狂いから、次第に破滅への道を辿ることになる…みたいなストーリー。さすがはウディ・アレンって感じで話のテンポはとても良く、まったく退屈することはないんだけど、正直、話としては酷くありきたり。
『罪と罰』を筆頭にこういうタイプの犯罪ドラマは星の数ほど書かれてるし、兄弟を共犯にするのも、スマートな兄と情けない弟という立ち位置も、シドニー・ルメットの『その土曜日、7時58分』と丸かぶりしている。ルメットの方が構成に工夫があって面白かったし…。
ただ、コリン・ファレルのダメ弟っぷりは、『その土曜日~』のイーサン・ホークを凌いでたかな。真面目な場面なのにどこか滑稽でクスッとさせられる"ウディ・アレン節"も随所に見られたし、演出面は良かったんだけど、なにぶん脚本のやっつけ仕事感がプンプンと漂ってくる作品だった。
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