20110104

[Movie]トラブル・イン・ハリウッド



トラブル・イン・ハリウッド (2008 アメリカ)

『アンタッチャブル』『ファイト・クラブ』『イントゥ・ザ・ワイルド』などなどの売れっ子プロデューサー、アート・リンソンが自らの自伝小説を脚色した作品。ロバート・デ・ニーロ、キャサリン・キーナー、スタンリー・トゥッチ、クリステン・スチュワート、ジョン・タトゥーロのほか、ショーン・ペンとブルース・ウィリスが本人役で出演するなどキャストがかなり豪華。

ハリウッドの映画プロデューサーが主人公の映画といえば『ザ・プレイヤー』を思い出すけど、こちらもカメオ出演の面子がめちゃくちゃ豪華だった。こういうハリウッドの内幕モノって俳優たちにウケがいいのかな。

ただハリウッドを痛烈に皮肉った『ザ・プレイヤー』とは違い、『トラブル・イン・ハリウッド』は映画プロデューサーという職業を、生暖かい同情的な視線で描いている。

考えてみれば、映画プロデューサーというのは因果で奇妙な職業だ。

アカデミー作品賞においてオスカー像を受け取るのはプロデューサーであるのに、実際は誰一人として映画が「プロデューサーの作品」であるとは思っていない(劇中でも主人公が「俺の映画が~」と言いかけてブルース・ウィリスに「お前の映画じゃねえ」と即否定されるシーンが…)。また、映画製作において一番偉い人であるはずなのに、顔を誰も知らない。具体的にどういう仕事をしているのかちゃんと知っている人さえ少ない。

そういう意味ではこの作品は、リアルな「映画プロデューサーの苦悩の日常」が上手く描かれていて、とても興味深かった。監督もベテランのバリー・レヴィンソンだけあって、テンポ良くこなれている。

ただ、逆に言えばリアルを追求しているが故に“映画的な事件”が全く起らないんだよね。ひたすら日常が描かれるだけ。出資者と現場との間で板ばさみにされる様子なんか、同業者が見れば「あるあるwwww」と大ウケなんだろうけど、人によってはひたすら退屈に感じてしまうかも…。

とりあえず、めちゃくちゃ性格の悪いワガママなハリウッド俳優、という役を「本人役」で演じてしまったブルース・ウィリスが、シャレの分かるいい奴だということは分かった。

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