20110106
[Movie]9 ナイン
9 ナイン (2007 アメリカ)
最近、ロブ・マーシャル監督の『NINE』とか、ティム・バートン製作の『9 ~9番目の奇妙な人形~』とか、メリッサ・ジョーン・ハート主演の『9INE』とか、似たようなタイトルの作品がやたら多い。なんなんだろう。お店で「ナインありますか?」って聞かれた場合、実にやっかいだ。
まあ、そんな時は『NINE』か『9 ~9番目の奇妙な人形~』のどちらかに案内しとけば大抵大丈夫だろうけど…。とはいえこの『9 ナイン』も、単なるB級映画と切り捨てるには少し惜しい意欲作なのだ。
この作品、構成がとても変わっている。3部構成になっていて、それぞれのストーリーでキャストたちが微妙に違う役柄を演じる。どのストーリーでも「9」という数字が随所に登場して、この「9」の意味は何なのか? 3つのストーリーはどう絡み合うのか? という謎が作品の核になっている。
監督・脚本はジョン・オーガスト。長編監督は初めてらしいけど、どうもティム・バートンのお気に入りみたいで『チャーリーとチョコレート工場』『ビッグ・フィッシュ』『コープス・ブライド』と、バートン作品の脚色を多く担当している脚本畑の人。
3つのストーリーが一見全然関係ないように見えて、意外な場面でちらっとシンクロしたりするところなんかは、脚本上手いなーと思わせてくれるのだが…。
突然ミュージカルが始まったり、劇中劇が始まったり、ラストは超展開だったりと、色んなアイデアを詰め込んでいて「たぶん脚本書いてる時は楽しかったんだろうなあ」というのは伝わってくるんだけど、なにぶん90分台のランニングタイムの低予算映画としては、話が壮大すぎる! 特にラストの超展開に関しては、確実に置いてけぼりを食らってしまう。もうちょっと「主人公の正体は本当に○○なのか?」っていうところを、時間をかけて焦らして見せて欲しかった。
とはいえ、謎の見せ方とか構成は上手いので、最後まで退屈はしない。『アンブレイカブル』に雰囲気は似ているかな。ライアン・レイノルズ、エル・ファニングとキャストもそこそこ実力派揃いなので、一風変わった作品を見たい人にならお勧めできる。
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