20110425

未公開映画レビュー 「GAMERS ゲーマーズ」



GAMERS ゲーマーズ (2009 ロシア)


本国ロシアで大ヒットを記録したSFアクション大作!ゲームのサイバー・スポーツ大会。勝者には賞品として特別なゲームが配られる。しかし、これはただのゲームではなくプレーヤーがゲーム内に登場するキャラクターの能力を吸収できる特殊なシステムが備えられていた。ゲームのプロデューサーは優秀なゲーマーたちを集め暗殺集団に仕立て上げようとしていた。事態に気づいたゲーマーたちは、人生を取り戻す戦いに立ち上がるが…。(「Oricon」データベースより)

また日本の配給会社が、関係ない作品をジェラルド・バトラーの『ゲーマー』と関連付けて…と思ってたら、本国ロシアの方でも似てるのを自覚してたみたいで。ロシアのウィキペディアを見てみると、最初『Gamers. In Search of the Target』というタイトルだったけど、ジェラルド・バトラーのと被るから『The Game』に変更した、という記述がある。

せっかく被らないように変えたのに、日本の配給会社に勝手に戻されてしまってとても不憫。



内容はと言うと、もうちょっとSF色が濃い作品なのかなーと思って見たら、ゴリゴリのアクション映画でちょっと意表を突かれた。

SFと言えるのは「キャラクターの能力を吸収できる特殊なゲームディスク」ここだけで、開始10分で主人公たちが能力を手に入れてからは、近未来的なものは一切出てこない。TSUTAYAでもGEOでもSFにカテゴライズされてるけど、SFを期待しているとがっかりするので注意。

ちなみに、その特殊なディスクについても「なぜゲームキャラの能力が手に入るのか」とか「どういうメカニズムになっているのか」とかその辺の説明は一切なし。普通、いきなり超人的な戦闘能力を手に入れたら「なんで!?どうなってんの!?」とパニックに陥りそうなもんだけど…。主人公たちもそういった疑問を一切持つことなく、すぐさま能力を使いこなしている。そこらへんを突っ込むのは野暮、ということらしい。ここまで堂々と考証を放棄されると、むしろ気持ちがいい。



なのでSFファンにはあまりお勧め出来ないんだけど、逆に言えばアクション映画としてはかなりクオリティが高い。「ゲームキャラの能力を手に入れられる」という便利な設定があるもんだから、ドンパチあり、肉弾戦あり、カーアクションありとアクション映画としてはかなり贅沢な作りになっている。ナヨナヨしたゲームオタクたちが、屈強なロシアンマフィアをバッタバタと倒していく爽快感もあって、アクション映画が苦手な自分でもなかなか楽しく見ることが出来た。

また、主人公たちが悪人をなぎ倒していくだけの単調な作品にもならず、後半からは主人公たちの間で仲間割れが起こって敵同士になり…みたいな、ベタだけど飽きさせないストーリー展開になっていて。2時間越えと未公開映画としては結構なボリュームだけど、それに見合うだけのアクションシーンの濃厚さがあるので長さはあまり感じなかったかな。

後半に突然挿入される、「とりあえず入れとかなきゃ」と無理やり捻じ込んだ感がプンプン漂うベッドシーンとか、明らかに無駄なシーンもあるけどね…。

無駄なシーン

この作品を見て思ったのが「ロシアにもこういうゲームオタクっているんだなぁ」ということ。

まぁそりゃいるんだろうけど、あんまりロシア人にそういうイメージがない。なんか勤勉学生が多い印象がある。罪と罰のイメージかな。あまりゲームがないというか、マトリョーシカしか玩具がないというか…(酷い偏見)。
これを機に改めよう。



  

0 件のコメント:

コメントを投稿